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聯合艦隊司令部 暗号電報訳文用紙 大海指第五三〇号、第五三一号 終戦処理指令書

今回ご紹介する資料は、今までの資料とは比べ物にならないほど、貴重なものです。
軍事評論家のT氏の話では、個人で所有しているのは聞いた事ないし、見た事がない。とのことでした。
私もたまたま入手して、びっくりしています。
正直、これほどの物は見た事が無かったです。
もうこれ以上の資料は出ないかも・・・と思われるので、しっかり紹介したいと思います。
お付き合いください。

司令部
昭和20年、日吉台にて聯合艦隊司令部集合写真


※今回は説明が細かいので、資料の画像をクリックして別ウィンドウで見ながらお楽しみいただけると、見やすいと思います。
さっそく見てみようと思います。

8月19日に発信された大海機密第一九一六〇〇番電01_20150521151656a34.jpg

02_2015052115165858b.jpg


大海指第五三一号 昭和二十年八月十九日
軍令部総長 豊田副武
草鹿NTF長官ニ指示
大川内GKF長官ニ指示
大海令第四十九号ニ基キ左ノ通指示ス
NTF長官及GKF長官ハ停戦実施ニ際シテハ極力彼我
両軍間ニ紛争ノ生起ヲ避ケ且、我ガ軍ノ指揮
掌握ヲ強固ナラシムル為概ネ左ニ準拠シ之ヲ実施
スベシ
一、所在帝国陸軍部隊ト密ニ連携ヲ保チ停戦
  実施ヲ斉一ナラシムルニ努ム
二、停戦実施ヲ円滑ナラシムル為当面スル聯合国軍
  部隊最高指揮官ト所要ノ協定ヲ為スコトヲ得
三、右諸項ノ外現地ノ実情に即シ機宣必要ト認
  ムル諸般ノ措置ヲ執ルコトヲ得
                   終

8月20日に発信された東通機密第二〇〇〇〇一番電1/2、2/2
03_2015052115170090a.jpg

04_20150521151701a3b.jpg

05_20150521151702ba6.jpg


大海指第五三〇号
昭和二十年八月十九日
軍令部総長 豊田副武
小沢海軍総司令長官ニ指示ス
大海令第四九号ニ基キ左ノ通指示ス
海軍総司令長官ハ敵進駐ニ際シ極力彼我
両軍間ニ紛争生起ノ原因ヲナカラシメ且
我ガ軍ノ指揮掌握ヲ強固ナラシムル如ク
爾後ノ諸般ノ処理ヲ容易ナラシムル如ク概ネ
左ノ諸項ニ準拠之ガ準備ヲ進ムルモノトス
一、既令任務配備地等ニ拘泥スルコトナク必要
  ニ応ジ所要部隊ヲ所要地点ニ移動駐屯
  セシムルコトヲ得
二、各部隊小員数ノ分散ヲ避ケ為シ得ル限リ速ニ
  之ヲ機宣ノ地域ニ集結指揮掌握ニ便ナラシム
三、前諸項各部隊ト共ニ移動困難ナル兵器
  軍需品等ハ之ヲ破壊散逸スルコトナク所要
  ノ監視員ヲ残シ之ガ保管ニ任ゼシム
四、艦艇ハ其ノ固有繋留港(内地ニ在ルモノハ成ル
  ベク所属軍港)ニ水上水中特攻兵器ハ其ノ
  固有基地又ハ最寄基地ニ又航空機ハ概ネ
  現在ノ位置ニ繋留又ハ格納適宜所要ノ
  監視員ヲ附シ之ガ保管ニ任ゼシム
                   終

まずは電文用紙をよく見ていこうと思います。
最初に上部の幕僚の略語の解説です。
幕僚

これは終戦時の海軍総隊司令部(慶応日吉キャンパス内)で使用作成されたものだと思います。
ですから、幕僚の欄がかなり細かいです。
幕僚の略語を見て行こうと思います。
カタキ=艦隊機関長
カタグ=艦隊軍医長
カタシケ=艦隊主計長
セサ=先任参謀
サクサ=作戦参謀
セムサ=戦務参謀
コサ=航海参謀
ホサ=砲術参謀
スサ=水雷参謀
ツサ=通信参謀
コクサ甲=航空甲参謀
コクサ乙=航空乙参謀
キサ甲=機関甲参謀
キサ乙=機関乙参謀
フカ=副官
キセウ=気象長
アン=暗号長

となっています。

終戦時の海軍司令部の様相は
軍令部総長 豊田副武大将
海軍総隊司令長官兼聯合艦隊司令長官 小沢治三郎中将
参謀長 矢野志加三中将
参謀副長 菊池朝三少将
参謀副長 松原博少将
参謀副長 久安房吉少将
艦隊軍医長 矢可部軍司軍医少将
艦隊主計長 中垣仙吾郎主計少将
首席参謀 山岡三子夫大佐
作戦甲参謀 三上作夫中佐
作戦乙参謀 千早正隆中佐
航空甲参謀 淵田美津雄大佐
航空乙参謀 中川俊大佐
戦務参謀 立花止大佐
水雷参謀 渋谷龍穉大佐
情報参謀 中島親孝中佐
防備参謀 板谷隆一中佐
通信参謀 関野英夫中佐
整備参謀 関政一中佐
副官 矢島敏一中佐
副官 南正一主計中佐
気象長 雀部利三郎中佐
暗号長 二間瀬国郎大尉
陸軍参謀 晴気誠中佐
となっています。

さすがに総隊司令部は大きいですね。
この電文用紙では、先任参謀(山岡三子夫大佐)・作戦参謀(三上作夫中佐)・戦務参謀(立花止大佐)・砲術参謀(千早正隆中佐)・水雷参謀(渋谷龍穉大佐)・航海参謀(不明)・航空両参謀(淵田美津雄大佐・中川俊大佐)・機関乙参謀(不明)・気象長(雀部利三郎中佐)・暗号長(二間瀬国郎大尉)が読みましたよという印をつけています。
ようは、淵田美津雄大佐や千早正隆中佐の直筆の物だと思います。
そういう意味でも、私としてはとても嬉しい物ですね!

次に、送信艦所ですが東ー放となっています。これは東京通信隊が、放送系で打電したものという意味です。

指定欄の電報略語はサキ=作戦緊急電 ニカ=親展 キウ=緊急電 ニカ=親展 という意味です。

横の暗号の赤い欄は暗号、着信、軍機という意味です。
これは暗号を訳する用紙ですので、着信となっています。
また軍の秘密は、部外秘、秘、極秘、軍極秘、軍機と上がっていきますから、これは最高機密電文ということが分かります。

下の着信者、受報者の区別は、
着信者は命令を受ける相手、受報者は情報としてこの命令を知っておく必要のある相手ということです。
これは軍令部からの命令で、
一枚目はNTF=南東方面艦隊長官とGKF=南西方面艦隊長官に対しての命令です。
GB=海軍総隊,10HF=第十方面艦隊、2KF=第二南遣艦隊、8F=第八艦隊、高警=高雄警備府は着信しただけです。
旗のマークは長官を表しています。
二枚目は、小沢総隊司令長官兼聯合艦隊司令長官に対しての命令です。
GB各艦隊、NTF、GKF、10HF、高警、各司令部は受信のみです。
海軍の暗号符号を貼っておきます。
aBg 特別根拠地隊
AF  航空艦隊
bg  防備隊
Bg  根拠地隊
bS  防備戦隊
cdg 海防隊
CF  遣支艦隊
cg  通信隊
chg 駆潜隊
CSF 支那方面艦隊
D   小隊
dg  駆逐隊
EF  護衛艦隊
F   艦隊
fg  航空隊
g   隊
GEB 海上護衛総隊
GF  聨合艦隊
Gg  砲艦隊
GKF 南西方面艦隊
HF  方面艦隊
HTF 北東方面艦隊
KEg 海上護衛隊
kg  警備隊
kS  警備戦隊
lg  陸戦隊
NKF 南遣艦隊
NTF 南東方面艦隊
pg  哨戒隊
S   戦隊
Sd  水雷戦隊
Sf  航空戦隊
sg  潜水隊
Ss  潜水戦隊
St  輸送戦隊
Sz  特攻戦隊
tg  水雷隊
TS  練習戦隊
Tug 輸送隊
TYF 中部太平洋艦隊
wg  掃海隊

発信者(艦所)は共通符号で発信と東京通信隊より発信となっています。

種別暗号はロ二ラ一八という種類の暗号を使って送信しましたよという意味です。ロは呂だと思われます。

電波は4175KHzのチャンネルと8350KHzのチャンネルでという意味です。
短波通信ですね。

左端の幕という印は幕僚回覧用の用紙で司令長官や参謀長には別の専用用紙があったからだと思います。
暗号訳文用紙は司令官用、幕僚用に分かれていて、数枚のスペアがあったようです。
同じ用紙があと2、3枚は存在していたと思います。

それでは、電文の中身を見て行こうと思います。
一枚目は大海機密19日の16時00分に東京から大海指第五三一号として発信されたもので、
草鹿任一南東方面艦隊司令長官と大川内伝七南西方面艦隊司令長官に前線での陸軍部隊と連携して、降伏業務をするように、という内容です。
草鹿中将も大川内中将も37期の同期同士です。
37期は井上成美大将といい後述の小沢治三郎中将、草鹿大川内両中将といい、終戦処理担当クラスというような感じがします。
次に紹介する電文が第五三〇号で、五三一号がなぜ先に発信されたかというと作戦緊急電文を先に発信したからだと推測されます。
どちらも連合国軍との最前線だったので、早急に命令を伝える必要があったからです。
二枚目は東通機密20日の00時01分に発信されたものです。
これは最後の聯合艦隊司令長官であった小沢治三郎中将に対しての命令です。
特攻兵器に関する記述があるのはすごく貴重だと思います。
また、降伏したのに敵軍と書いているところにすごく意地みたいなものを感じました。

また、横に線で?とされているのは受信電文が不確実だけど、内容から推測して間違いないと思われる訳語に対してつけたものと思われます。

大海令、大海指というのは中島親孝中佐の著作によると、
大海令は軍令部総長が発令する指揮系統に関する命令で、ようは作戦の大原則を命令するもの
大海指は大海令を元に、それを各部隊に作戦命令を下すために用いられるものです。
大海指は行動部隊にいちいち発令しなければならないので、大海令は57号までですが、大海指は538通もあります。
ここで紹介するものは大海令四十九号に基づいて発令されています。

大海令第四十九号
昭和二十年八月十七日
奉勅   軍令部総長 豊田副武
草鹿南東方面艦隊司令長官
大川内南西方面艦隊司令長官
小沢海軍総司令長官
ニ命令
一、 南東方面艦隊司令長官、南西方面艦隊司令長官及海軍総司令長官ハ
   別ニ定ムル時機以後指揮下海陸軍全部隊ヲシテ一切ノ戦闘行為ヲ停止セシムベシ
二、 前項各司令長官ハ指揮下各部隊(艦艇)ヲシテ給養ニ便ナル適宣ノ
   地域(固有繋留港内地所在ノモノハ成ル可ク所属軍港)ニ集結シ爾後
   ノ処理ニ関シ準備セシムルコトヲ得
三、 細項ニ関シテハ軍令部総長ヲシテ指示セシム

まさに上記の内容に即している電文用紙だと思います。
>三、細項ニ関シテハ軍令部総長ヲシテ指示セシム
これが大海指としてこの電文用紙に書かれている内容だと思われます。
実物確認はこのような内容から行いました。

終戦時の解体命令ということで内容は悲しいですが、かなり貴重なものだと思います。
これはどのような経緯で司令部から持ち出されたかは分かっていません。
しかし、幕僚の誰かが保管していたものだと思います。
これ以上、貴重な資料はもう出回ることがないのかもしれません。
大切にしていこうと思います。

今回は終始真面目にやっていきました。
お付き合いいただいた方、ありがとうございました。

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[ 2015/02/22 10:52 ] [ 編集 ]

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[ 2015/12/13 09:37 ] [ 編集 ]

Re: タイトルなし

> 資料を閲覧したいので、提供していただけないでしょうか?

どちらの資料でしょう?
こちらの資料ならばこれ以上のページもありませんので、紹介しているもので充分だと思います。
[ 2015/12/13 12:28 ] [ 編集 ]

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